2016年3月3日木曜日

「社会を見える化」する舞台芸術マネージャーたち スサノヲ現場訪問@Explatさん

今回はスサノヲ三期メンバーExplatさんの現場へ

Explatさんは「舞台芸術が文化のハブになる未来」を目指して、
舞台芸術界のアントレプレナーともいえる
マネジメント人材の育成に取り組んでいます。

今回はExplatさんが開催されるセミナー舞台制作と越境2の
「翻訳・字幕・そのほか言語にかかわることについて」におじゃましました。

亀戸駅からあるいて10分とあるビル2階のセミナールームへ
セミナー参加者は十名で、男女半々で
年齢層も幅広く20~50代?といったところでしょうか。

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形式は講師と進行役のお二人によって進められる一般的なもの。
ただし、中身は「2020年に日本語学習者が世界にどれだけいるか?」
とのっけから予想外にThink Bigな展開!

講師である岸本さんは、各言語でつくられた演劇など
芸術作品の台本を他言語に翻訳する仕事をしているそうです。

たんに翻訳といっても、簡単ではないらしく
国をこえて原作者やアーティストが「何を伝えたいのか?」を大事に
どうすればそれが伝わるか?を一緒に考えるのだそうです。

たとえば「ファーストキス」の初々しさを表現する作品で
南米で演じるのと日本で演じるのでは「初々しさ」がだいぶ違うらしく
言葉の背景にある文化の違いも含めて、
作品の伝え方を考えるのは、かなり難しそう。

海外でのお仕事の経験もおおいそうで、
多文化の中で仕事をしているとネイティブの英語は返って
わかりづらいことがあるので、上手でなくてもわかりやすい
英語のほうが役立つとか。

ほかにも、日本が英語化したら、日本は絶対に滅びると思うとか。
とか、そういった舞台芸術の分野での実感がこもった
鋭い視点がシェアされて、面白い!

ちょっと休憩をはさんでの後半は、「評価」について
たとえば日本国内で評価される舞台演劇と
イギリスなど海外で評価されるものには違いがあるそうです。

その背景にはさまざまな理由があるようですが、
ひとつに舞台芸術についての「批評」の文化が育っている国では、
その文脈の中で、作品が評価されることがあるが、
一方で文脈が育っていない場合は、
たとえば「権威」などが評価に大きく影響したりするそう。

と、まぁ、こういった色濃い話を具体例満載でアッと言う間の3時間。
これは舞台芸術の関係者でなくても面白い!

――

この場を経験して私が感じたのは
舞台芸術の領域にいる方たち(多くの作家さんも含む)
の社会をみる目の鋭さです。

彼らの作品作りも、翻訳も、具現化も、
そしてそれを評価する視点も、みな
一見とらえどころのない「社会」といった
あやふやなものを鋭く、実体として捉えてる。

そして、それを編集して舞台芸術マネージャーたちは
それを「見える化」して伝えるのがうまい!

Explatさんはこういった舞台芸術領域の人々がもった才能に
着目してるんだと思いますし、その才能がもっと人々の実生活に
つながることを目指しているんだなと感じました。

地域の芸術祭とかもその走りでしょうが、
もっともっと舞台芸術が私達にとって身近になると、おもしろそう!!
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マティッコさん、かなえさん
貴重な体験をさせていただきありがとうございました!!

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