2016年7月15日金曜日

「祖父の死に思うこと」(相互に依存する生命と多様性の源泉について考える)

先週末、九州の祖父が他界しました。

二ヶ月前の危篤時にお休みをもらって
祖父の病院にかよわせてもらったおかげで
お別れはすませていたので、動揺はせずにすんだ。
晩年はアルツハイマーを発症して
孫も子供たちの顔もわからなくなっていた祖父。
しかし、ボケてもなお変わらないのは、いつも笑顔なところ。
とても几帳面で器用な人で(残念ながら自分にその血は流れなかったが)
日曜大工や園芸が趣味。
自宅には工具や旅先で拾い集めた石などが
丁寧に整理整頓されていた。
やさしくて真面目で、ひょうきん。
夏休みに祖父宅で走り回っていると
「家の中は走り回るためにはできちょらんちゃがね。」
とよく叱られながらも、「怖い」とおもったことは一度もない。
●●●
初孫であった自分は、たぶん特別に可愛がられていた。
それを感じていたぶん祖父の話に耳を傾けることは多かった。
祖父が酔うとよくした「シベリア抑留時」の話。
ーー
自分たちが乗っている鉄道が
どこにむかっているのかもわからないなか、
このまま日本に帰れるか?はたまた捕虜にされるのか?
と日々不安だったという。
そんななか
「水辺がみえるとよ、それが湖か海かもわからんとやね。
 みんなダァーと走って行ってから
 その水を飲んで、たしかめるとよ。
 塩水じゃったら、日本海じゃけんど、
 『あぁ、しょっぱくない!』
 その度に、やっぱり自分たちは日本には帰れんのか
 とおもってみんなしょげて列車にもどるんよね、、」
ーー
そう話ながら、
目を細め、風景を思い浮かべている横顔は
いまでも思い出せる。
●●●
葬儀の中盤、祖父の長男である伯父が
「父の子供時代は決して幸せだったとは
 いえなかったと思います。」と語った。
なんとなくは知っていたけれど、
祖父は実の親からの愛情に恵まれたとは
いえない幼年期を歩んできたらしい。

詳細はわからない(し、聞く気もない)が
親戚のだれもが「捨てられた」という言葉を
決して口にしないよう心がけている。
そんなふうに感じていた。

親との不幸せな関係、戦争、ゼロからの戦後。

自分なら絶望をしていただろう困難を
いまの自分よりも遥かに若い年齢で
何度も経験したことは間違いない。
しかし、祖父は生き抜いていった。
そして、祖母と出逢った。

伯父の言葉がつづく。
「自分の幼少期、ある時期をさかいに
 父の表情が変わり、やわらかくなっていったのを覚えている。」
自分にとっては「やさしくて真面目で、ひょうきん」
だった祖父にそうではない時期があったことを知った。
祖父は生きることの辛酸をなめ、困難を知り
なお「いつも笑顔」でいたのだ。
●●●
子が4人、孫が10人、ひ孫が5人。
通夜、葬儀には全員が駆けつけた。
祖父が戦後を、人生を生き抜き、
育くむことに絶望していたら
これらの生命は紡がれていない。
逆を言えば、たった1人が生き抜くことで、
これだけ多くの多様性が世界にもたらされる。
そこには祖父を支えたヒトたちの
陰日向ない心遣い・利他もあったことも想像にかたくない。
●●●
これは、すべてのヒトに同じことがいえると思う。
すべてのヒトに生命があり、幼少期があるのならば
いまこの瞬間まで、自分自身を支えてくれた誰かがかならずいるはずだ。

ヒトは1人では存在しえない。

だから「人間」なのだ。

「生きること」は関わること

「生きること」は育くむこと

人間である以上
どこまでいっても私たちは、連綿と続く大きな物語の一部だと思う。
だからこそ、ただ「生き」ただ「育くむ」こと、
それ自体が、もう、とてつもなく偉大だと感じる。
画一的な世界で効率ばかりを考え、
縦の価値基準で互いを比べることになれてしまうと
ワタシたちはそのことを、ついつい忘れがちになる。
●●●
お別れの時
この二日間つねに気丈に振る舞っていた祖母が、
「お父さん本当によく頑張ってくれたね。
 お疲れ様でした!ありがとうね!」
そういって、ボロボロと涙をながした。
享年88歳
社会的には慎ましやかな
しかし、ワタシにとってはどこまでも偉大な
祖父の見事な生き様が、こうして幕を閉じた。
ーー
7年前
当時の恵まれた仕事をやめて、
世界に旅に出るかどうかを迷っていた自分。
相談するとだれもが良い顔をしないなか
祖父にその話をすると
「それはいい経験になるっちゃろうね。」
そういって、そっと背中をおしてくれた。
ーー

「じいちゃん、繋いでもらった生命。
せっかくだから自分が信じる道を妥協せずに
最後まで前のめりに生き抜いてみます。」

炉にむかう祖父に手をあわせながら、
心のなかでそう唱えた

そんな勇気をもらえる出来事でした。

2016年5月25日水曜日

いま革新的な提案が求められる「市場の失敗」領域とは?スサノヲ過去選考をふりかえって

スサノヲプロジェクトも4期採択応募受付中

さて、これまで1~3期の選考をつうじて
約160件以上のソーシャルスタートアップ予備軍の方々に
ご応募をいただき、直に話をきいてきました。

そんななか、緊急度がたかく、自体も深刻ながら
いまだ革新的な解決策が見出されていない「市場の失敗」領域が
いくつか見えてきたので、それらについて簡単にご紹介します。

関心がある方がいれば、
ぜひスサノヲを通じてチャレンジしてみませんか?

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1、難病患者のみなさんを支える仕組み
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2015年時点で指定難病として306種が対象とされ
150万人の患者さんがいるとされているそうです。

しかし、ひとつひとつの病気にわけると
患者数は数百~万にとどかない単位と少なく
医師も病気の存在自体を知らなかったりするそう。
結果、病気かどうかもわからないので、
家族や友人からも「やる気がないだけ、思い込み」
などと揶揄されたり、だんだんと孤独になっていく。

もとめられているのは例えば患者同志がつながる仕組み
あるいは患者の症状とその治療方針が共有される仕組み。
ただし、各難病ごとには患者会などの活動もあるが、
それらを包括した取組で、かつ付加価値の高いものは
まだ設計されていないとのこと。

難病患者むけのサービスだが、
あらゆる少数派をエンパワーするプラットフォームに
なるやもしれないと考えています。

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2、組織でなく個人を中心とした働き方の新提案
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あらゆる分野の専門職たとえば演劇、看護や介護、
プログラマーなどの労働環境の改善についても
効果的な打ち手が見当っていないらしく、
さまざまな取組みのアイデアが持ち込まれています。

「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に」
というNRIさんのショッキングなレポート以降、自分の仕事や
会社との向き合い方を考えるヒトも多くなってきたと思います。
人間にしかできないクリエイティブな仕事の重要性が増すなか
一方で、職人やアーティスト、スポーツ選手などのほとんどは
一流でなければ、それだけでは食べていけないといった状況も。

組織やシステムを中心にかんがえると、どうしても個は埋没し
いち機能としての役割を求められるようになります。

そこで、いま求められているのは
社会や組織を中心とした従来の「機械論」的な働き方をこえた
個人の特性と才能の社会全体での最適配分と
価値を生みだすための構造化仕組みだと感じています。

すでにクラウドソーシングは注目されていますが、
よりリアル(デジタル化できないの)技術とリアルな製品や
サービスの組合せには、なお遠い状況。

たとえば「いろどり」の取組みのように
個々人の仕事と、マーケットの新しいつながりをデザインする。
そういったアプローチがあらゆるジャンルで求められています。

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3、高齢者が活躍する社会との関わり方の提案
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75才以上の高齢者が増えることが
家族や地域社会、行政の負担として捉えられ続けられています。

近い将来、総人口は減少するなかで
75才以上の高齢者は2000万人を超えていく。
4人に1人が75歳以上の超高齢社会がくるとされています。

そこで、身体の自由が効かなくなり日常生活に
支えが必要になった方々が(正確には40年後の私自身が)
高齢のまま社会やコミュニティを支える側にまわることは
必要不可欠だと思われます。

すでにテクノロジーをもちいて健康の維持や
身体能力の補助拡張などで、肉体的なハンディを
補うといったアプローチは行われている。

それらとは別にスサノヲ的には、
関係性を再構築するようなアプローチについても
検討をしていければと考えています。

たとえば「教育」の担い手として高齢者が活躍する社会。
地域の中で孤立している出産後の女性たちや、子どもたちが
居場所と学習の機会を得るといったアプローチもアリかも。

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4、家族・コミュニティのカタチの再提案
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上記のどれとも関連する課題だと思いますが、
あらゆる地域や分野において家族やコミュニティの
形態が定義自体の進化が求められていると感じています。

たとえば
薬物依存症患者さんや、犯罪歴のある方、
あるいは外国籍の方や、親に捨てられた子どもたち
そういった方々の抱えつづけている問題の本質に
「安心感のある他者とのつながりの欠如」が共通
していることが見えてきました。

これまでは
血縁上の家族が、社会において一般的にはその
「安心感のあるつながり」の基盤として役割を果たしてきた。
しかし、現代のように個々人の生き方が多様になり、
かつ外部環境の変化が激しく不安定になってくると
親や子供、兄弟、近所のひとに頼れるという方ばかりではないのです。

シェアハウスなどの普及も本質的にはこういった
「家族やコミュニティの再定義」アプローチだとは思いますが、

しかし、社会的に一度ハグレてしまった方々に
再び「安心感のつながり」を提供する仕組みは
圧倒的に不足しています。

ーーー
2につづく

以上


2016年5月20日金曜日

ビジネス系アクセラレーションとの違いってなんなの?7つの戦略パターン(仮説)

応募説明会でよく聞かれる質問に
「ビジネス系のアクセラレーションとの違いってなに?」があります。
2期ブートキャンプ風景
そこで今回は
ソーシャルスタートアップ向けのプログラムならではの特徴について
ビジネスアクセラレーションとの違いといった観点で
個人的な考えをお伝えします。

■前提
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個人的には、株式会社かNPOかの法人格の違いに関わらず
「だれかの幸せに貢献する」ならばその意味での差はないと思います。
では違いはなんなのか?を明らかにするために、

そこで、ワタシたちは孫さんとともに
「ソーシャルスタートアップ」という言葉をつくりその定義を
上記のように定めています。

■上場だけが、インパクト最大化の戦略か?
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ブートキャンプ@SmartNews社
では、ソーシャルスタートアップと
ビジネススタートアップでは何が違うのでしょうか?
個人的には、事業展開の選択肢が異なると考えています。

たとえば、
みなさんが仮に「金銭的利益の最大化」を一番の目的にして
事業を行うならば、おおざっぱに「株式公開」もしくは「事業売却」が
目指すゴールになると思います。

一方で
「社会的インパクトの最大化」を一番の目的に
すえた場合はどうでしょうか?

社会課題のなかで苦しみ、困っている人の状況を
よりはやく、より大きく改善することが目的になので、
単純に売上や利益が大きくなればいい
といったことにはならないと思います。

そうすると、「株式公開」「事業売却」も手段のひとつとなり、
ほかにも選択肢が生まれてくるのです。
ここが、大きな違いだと思っています。

■インパクト最大化を目指すうえで取りうる、いくつかの方法
 (6つのエンドゲームなどを参考にしつつ、、個人的な解釈)
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1、「株式公開」
自社のサービスや製品を株式公開を通じ、資金を調達し、さらに拡大する。

2、「大企業への事業売却」
確立した事業を企業に売却してその資金やネットワークを活かして広げてもらう。

3、「オープンソース化」
ノウハウをオープンソース化してどんどんパクってもらう。
Linuxとかそうですよね。

4、「資格、認証制度化」
資格や認証制度をつくり、担い手を育成しながら広げていく。

5、「チャリティ活動」
寄付やボランティアを巻込みながら自社の活動を拡大させることで問題の消滅を目指す。

6、「行政制度化」
政策提言など、行政や自治体にはたらきかけて制度化することで、
インパクトを最大化する。

7、「先進的な現場・作品づくり」
コピー不可な先進的な事例・現場をつくり世界から人が集うもの。
ーーーーーー

上記1~4は、(0➔プラス1の付加価値創造型)
とくに取組む社会課題が今後広がっていく場合、
たとえば高齢者、空き家が増えるなどに適当だと思います。

5、6は(マイナス1➔0、課題解決型)
とくに取組む社会課題自体がだれから見ても減った方がいいもの
たとえば人身売買やHIV感染予防などに適当だと思っています。

そして
7は、もはや事業か?と問われるとあやしいのですが、
よりアーティスティックな活動を通じて、
新しい思想や世界観をひろげていくものだと思います。


■戦略が多様だからこそ、多様なネットワークで支える。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
インパクトの出し方に上場やバイアウト以外の戦略があるからこそ

自治体に働きかけるならば行政の方、
ボランティアマネジメントならNPO経営者など
ビジネスアクセラレーションよりもさらに広い
多様な人脈や知恵が必要になる、と考えています。

ということで、みなさんがもし
「社会的インパクトの最大化(自分の想いの具現化)」を
一番の目的として事業・プロジェクトの立上げを志しているのであれば、
ソーシャルスタートアップに特化したアクセラレーションへの参加を
検討してみてはいかがでしょうか?


以上


2016年5月9日月曜日

スサノヲ応募要件の背景と想い 4期応募検討者むけ

スサノヲ4期メンバー応募では
「なぜそんな要件を設けているのか?」といった質問を受けます。

そこで
今回はそれぞれの要件を設定している背景についてお伝えします。
4期応募を検討している皆さんはぜひ参考に!


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①共同創業メンバー2名以上のチームであること。
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いきなりハードル高いですね。笑

スサノヲ立ち上げ当初、孫泰蔵さんとの話のなかで、
「起業家が事業をあきらめる一番の原因は心が折れること。
だから、まずは仲間を見つけていることが、とても大事。」
というのが話題としてあがりました。

そこで志はあるものの、まだ仲間がいないという方には
ぜひスサノヲへの応募をきっかけにして、周囲の知人や友人に

「ワタシ(オレ)はこんなことをアナタとやってみたいんだ!」

と話をしてもらえればと思っています。
もちろん、すでに強い絆がある仲間同志の応募は大歓迎ですが
一生付き合える仲間なんて簡単に出会えるものではない。。。

だから、まずはこのスサノヲの3ヶ月間だけでも
お互いに本気で走ってみよう!と声をかけるのでもいいと思います。

孫さんの言葉にあるように、まずは

「バンドつくるみたいに起業しようぜ!」

というノリで、スサノヲを口実に周囲の友人や知人に
ぜひ声をかけてみてはいかがでしょうか?
それ自体が、ビジョン実現への大きな一歩になるはず!

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②期間中仮説検証に週合計24時間以上のコミットが可能なこと。
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スサノヲプロジェクトは、その目的に共感を頂いた先輩起業家や
寄付者のみなさまの無償の協力によって運営をしております。

また、デモデイにご招待するみなさまにも
貴重な時間を割いてお越しいただくことになります。
その方たちの協力にきちんと応えていきたい。

そこで、かりにプログラム参加時に企業に勤めている方や学生でも
週24時間は仮説検証にコミットできることを目安としています。

たとえば仕事のある平日の夜に2時間✕5日=10時間
土日のどちらか終日か、7時間ずつで=14時間、計24時間
あるいは、土日だけがっつりそのために動いてみるとか。
チームによってそのコミットの仕方はいろいろあって良い。

スサノヲというプログラムに参加し
他の起業家メンバーと同じリズムを共有し、集中する。

だからこそ、三ヶ月という短期間でも劇的に進化することになるのです。

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③すでに事業の核となるアイデアやプロトタイプがあること。
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「まだプロトタイプ(試作品)などはないので、次期を目指します。」

などと、誤解されやすいのですが、スサノヲの採択では必ずしも
「事業フェーズが進んでいるからよい」とは考えておりません。

事業が進んでいる、プロトタイプや実績があるからこそ
当事者のこともよくわかるし、協力者も巻込みやすいというメリットもある。
だが同時に、現場がすでに回っているからこそ
大きく事業内容を転換しづらい、といったこともあります。

また、逆にアイデア段階だからこそ仮説検証を通じ
軽やかに事業内容の仮説を転換していける、とも言えます。

とくに期間中の「変化率」を重視するスサノヲでは、
どちらが良いということはなく、まずは独特の世界観とともに
アイデア自体のキレ重視で選考される傾向があると思います。

ちなみにアイデアのキレは

・課題当事者の困りごとを具体化してみる
・当事者の周りにいる関係者を紙に書きだしてみる
・似たようなサービスや製品との違いをあげる

などをしてみるだけでも格段に磨かれるものなので、お試し下さい。

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④プログラム全日程に参加できること(地方参加はスカイプも可能)
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スサノヲプログラム全体には大枠の型はありますが、
毎回のブートキャンプ内容の詳細は採択チームの顔ぶれが決定してから
設計します。

これは各チームのフェーズや分野、その時々の状況などを考慮して
セミナーの内容を設計したり、柔軟に相互メンタリングの組合せ、
あるいは伴奏メンバーとのマッチングなどを都度調整するからです。

つまり、一回一回を各チームにとっての狙いをもった場として
設計しているのです。

そういった機会を存分に活用したい!と思っている挑戦者同志が集う
熱量の高い場だからこそ、互いの成長に相乗効果が起きると思っています。

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⑤期間中に5つのポイントで大きな変化をめざす意志があること。
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これについては、別な記事で紹介しますので、今回は割愛します。

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⑥修了後、起業家生態系の構築に引続き貢献する意志があること。
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上述しましたがスサノヲプロジェクト自体がさまざまな
先輩起業家のみなさんのお金・信頼関係(人脈)・時間・知恵などの
シェアによって成り立っています。

ただし、ETIC.では採択チームに対して直接の金銭的投資を行いません。

ですから、仮に将来みなさんの事業の(経済的価値が)拡大したところで
ワタシたちがそこから金銭的なリターンを得ることはありません。

そこで、

「恩送り」という言葉があるように

スサノヲに参加されるみなさんには、義務でなく、ぜひ、心意気として、
将来、事業やプロジェクトをカタチになっていくなかで育まれた、
みなさん自身のお金・信頼関係(人脈)・時間・知恵などを
スサノヲそしてETIC.を通じて出逢う後進の挑戦を支えるために
シェア頂きたいと考えています。



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以上が、応募要件の背景にある
ワタシたちの考えや想いになります。

参考になったでしょうか?


最後にもうひとつだけ、お伝えしたいことがあります。
スサノヲプロジェクトは、「挑戦者がふえる」こと自体が目的のひとつ。

だから、応募フォームを書くだけでも事業・プロジェクトの概要が
明確になっていくというような、工夫をしています。

採択には許容限界があるので、結果はわかりませんが、
各回の応募も、考えをまとめる機会として捉えて頂き
積極的に活用いただきたいというのが、個人的な想いではあります。


以上



2016年5月2日月曜日

応募対象のなぜ?にお答えします! SUSANOO4期メンバー募集関連

SUSANOOスサノヲプロジェクトにて
第四期採択メンバーの募集を開始しました。
募集WEB➔http://www.entry-susanoo.etic.or.jp/

それに伴い、今回は応募対象について
その背景にある想いや考えを整理してみました。

4期応募対象について、募集WEBページでは
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以下3つにあてはまれば、あらゆるジャンルの挑戦者を対象とします。 
1、社会課題を解決し大きな社会インパクトを生み出そうとしている。
2、まだ誰も実現していない革新的なアイデアの種をもっている。
3、絶対に実現させたいビジョンとつよい情熱がある。

 たとえば
・NPOの第二創業
・株式会社の社会課題解決分野への挑戦
・企業にお勤めの方が独立しておこなう社会課題解決分野への挑戦
・理系大学院生、エンジニアからなるチームの挑戦
・専門職、研究者、職人、アーティストなど創り手の挑戦
・高校生、大学生起業家の挑戦
-----------------------------
と、例として6タイプをあげています。

なぜ、この6タイプを挙げているのか?
について如何に詳細をお伝えしていきます。

①NPOの第二創業期

社会の課題解決や大きなビジョンをもって創業したのに
現場で当事者の課題や委託事業を回しているうちに
段々とやるべきことが増えていき、気がつけばそれら追われ
大きなビジョンと戦略と今がつながらなくなることってありませんか?

そんなときだからこそ、改めて普段とは違う
俯瞰した視点で「ThinkBig!」に現場を見つめなおす。
と同時に、ビジョンや事業の目標、戦略を見直すことで、
改めて事業の成長角度を上げていきたい!

そんな風に考えている起業家、経営者のみなさんにとって
スサノヲは相性が良いと思っています。

スサノヲメンバーのなかだと、例えば
マドレボニータhttp://madresbonitas.strikingly.com/の吉岡マコさんや
モクチン企画http://www.mokuchin.jp/の連さん、川瀬さんなどは
そのような機会として活用された事例だと思います。

②株式会社の課題解決への挑戦 

これは今期新たに提案している対象です。
たとえば、企業内の新規事業として、
あるいはCSR部門の活動として課題解決型の事業を推進したい。
そんな事業会社のいち部門の方の採択も検討しようとしています。

③企業から独立して課題解決に挑戦

大企業のなかで積んできた専門性をスキルを
よりご自身が直接問題意識をもっている分野にダイレクトに活かしたい。

そんなソーシャルグッドなビジネスを思考する方は
かなり増えてきていると考えています。

とはいえ、日常の業務もある中で、
いきなり起業という踏み切りはしづらい。
結果として、踏み出せないまま時間がたっていくもの。。。

そんな方にとって、スサノヲの場は、
絶好の事業仮説検証の機会になります。

もちろん、最終的には起業を目指していることは前提ですが、
とにかく、まずは3ヶ月間他の起業家と切磋琢磨しながら、
プロトタイピングを進めてみる。

その過程をへることで、覚悟が決まる。

スサノヲメンバーだと
マツリズムhttps://www.facebook.com/matourism.jp/大原さんなどが
まさにそのような活用をされて独立を決められました。

④理系大学院生、エンジニアの挑戦

理系院生や、エンジニアの方々には
事業のアイデア段階での参加が相性が良いです。

とくに、開発などに大きな投資をかける前に

「そもそも、社会をどう変えたいんだっけ?」
「代替手段だと何がまずいの?」

など、社会を変える大きな構想を描くうえで
技術視点からだけでは見えづらい
利用者視点のFBや、ユーザーの広げ方、
あるいは社会のなかでの位置づけなどについて、整理する機会になります。

また起業家としての事業や、スタッフ、投資家との向き合い方
などについて多様な視点でフィードバックを受けることも
重要だと考えています。

ただし、内容にもよりますが技術的なことについては
スサノヲやETIC.スタッフは詳しくありません。

ですので、製品やサービスの仮説検証がある程度進んだ段階で
ETIC.周辺のエンジニアやソーシャルテック系の
メンターなどに引き合わせることになります。

スサノヲメンバーだと
HOTARU http://ur0.xyz/tDJN(Tech Crunch掲載記事)や
Coaido http://www.coaido.com/
さんなどが当てはまると言えます。

⑤専門家、研究者、あるいは
職人やアーティストなど創り手の挑戦

スサノヲではコミュニティ全体としての多様性を重視しています。
ここでは、必ずしも起業という枠にとらわれずに、
プロジェクトベースのものも積極的に受入れたいと思っています。

こういった方々には
とくにThink Deep型と僕らが呼んでいる
社会的インパクトの出し方が合っているかもしれません。

それは圧倒的に先鋭的な事例を作ることで
たとえ事業自体がスケールアップ、スケールアウトしなくても
顧客やユーザー、メディアが世界中から押し寄せてくるようなもの
のことをイメージしています。

別名「すきやばし次郎型」(笑)とも言えるもので、
職人さんの握りの知恵や技術はコピーして広めづらくても
アメリカ大統領がわざわざ訪れるくらい圧倒的に美味しい。とか、

そういう事例をつくることも、
インパクトを生みだす一つの方法だと考えています。
もちろん、これはそう簡単にはいきませんが、
そういうアプローチもスサノヲでは応援したいと考えています。

⑥高校生、大学生起業家の挑戦

そして、最後に高校生や大学生の挑戦。
年齢が若いことは、技術や経験のなさとほとんど等しい。

ですが、その分、常識に染まらず、発想が大胆で
かつ行動力(時間)も会ったりしますよね。

そういった方のほうが、
「Think Big!」に考え、それらを実現することを
案外たやすくできちゃうんじゃないかと、考えています。

上手くいくかは問いませんので、
ぜひ、友達をさそって、まずは応募用紙を記入するだけでも、
勉強になると思いますので、チャレンジして貰えればと思います。


ということで、
以上、応募対象について、詳細をお伝えしました。

まぁ、上記はあくまでも目安のようなものですので、
少しでも気になった方はまずは、説明会などで
気軽にお問い合わせください☆

-----------------------------
次回は応募要件について詳細をお伝えします。 


2016年4月5日火曜日

「激変する介護の現場にテクノロジーの力を加える」 ソーシャルスタートアップ現場訪問、株式会社aba

突然ですが、
みなさんは、他人のう●この始末をしたことありますか?

年代やご職業などによっても、その答えは様々だと思いますが
これがどれだけ大変なことかはやってみないとわからないですよね。

わたしも実家に帰るたびに、じいちゃん、ばあちゃんの
介護をしている父母や兄弟の姿から、その苦労を感じるだけで
これまで実際に手を動かすことはほとんどありませんでした。

ヒトが生きるということは
食べる、着る、寝る、歩く、風呂に入る、排泄するということ。

それが自分でまかなえなくなった人たちを支えるのが
「介護」という仕事だと思います。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さて日本の総人口は平成 26(2014)年
10月 1 日時点で1億 2,708万人だったそうです。
うち75歳以上人口は 1,592万人で総人口に占める割合は 12.5%

1980年時点では75歳以上人口は366万人(9,1%)
つまり、この35年たらずで1100万人以上もふえているんです。

(参考:厚生労働省、平成27年版高齢社会白書)

つまり日本の「介護」分野は、この30年間で
急成長しながら、つねにはげしく変わり続けてきたということ。
これも数多くの、起業家や行政、そして現場の方々が
なんとか踏みとどまってきた結果だと思います。

とはいえ、もろもろ急ごしらえ。
だからこそ、この領域にはまだまだ変革の余地があるともいえます。

そんな介護の領域で「必要な時に必要な介護」を
ミッションに掲げるスサノヲ2期メンバー株式会社aba宇井さんの現場に
今回は訪問させて頂きました。


集合時間は夜8時半@東船橋駅

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abaさんはいま「排泄検知シート」という製品の実証実験を
船橋にある特別養護老人ホーム「さわやか苑」さんにて行っています。
http://www.sawayakaen.com/

宇井さんは、会社経営、製品開発のかたわら
夜間は介護施設の現場に入って、介護職の方々と利用者さんに
製品を試してもらいながらその精度を高めているのです。

ということで、当日も宇井さんの仕事終わりに合わせて
夜9時を回ってからの現場訪問。

さわやか苑のスタッフのみなさんにも、
快く迎えていただき施設内をご案内頂きました。
ちなみにさわやか苑さんは、あのロボットスーツHALの
導入にも積極的に協力をされているそうです。

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さて、現場訪問にて最初に印象的だったのは
宇井さんが介護職のみなさんととても仲が良いこと。
信頼されていることがわかるその様子から
宇井さんの現場での誠実さが伺えます。
一通り施設の概要について伺ったのち
静まり返った部屋のなかにそぉ~と入らせていただき
実際に利用されている機器の様子を拝見。
この装置は排泄物の匂いを検知して、
「排泄がおきているよ!」と介護職の方に知らせるのです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
だけど、この装置があることで、何が変わるのでしょうか?

たんに排泄と言葉にすると、簡単ですが、
この処理は慣れていない方にとっては本当に大変。

身体も動かせない、言葉もうまく通じない高齢者の身体の下にある
おむつを脱がせて、それを上手くまとめて、また新たなものを着せる。
想像するだけでも、それがどれだけ大変な行為かは察せます。

宇井さんいわく、特におむつの外に便がもれでると
その処理はベッドのシーツ替えから、場合によっては
洗浄にまで至り、とても一人では行えないものになるのだそうです。
「便がおむつの外にでるか出ないか?」
それだけで、介護職のみなさんにとっての手間が
大きく変わってくるのです。

さらに、ここで重要になるのが、
介護はいまなお人の手がかかる労働集約型のサービス業であり、
どうじにおおくの介護施設は慢性的に人手不足だということ。

とくに夜勤の場合などは、一人の職員さんが一度に
二十人以上もの利用者さんを看る必要があったりするのです。

だからこそ、たった一件のおむつ交換ですら、
その手間が削減されるだけで施設全体の介護の質にも
おおきな違いが生まれてくるのだそうです。

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さらに、この排泄検知シートでは利用者さん個別の
排泄リズムをつかむことも見据えているそうです。

たとえば
「●●さんは、下剤投与から何時間後に排泄する。」

そういったことがわかるようになれば

「●●さん、そろそろお手洗いにいっておきませんか?」

と事前に声をかけることもできる。

そうすれば「漏らす」という状況そのものを回避できるし、

「自分でトイレにいこう!」

という前向きな意識も、生活もより長く可能になるかも
知れないとかんがえているのだそうです。

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宇井さんがabaの事業を通じて行っているのは
この急ごしらえでつくられてきた労働集約型の「介護」の領域に
テクノロジーの力を加えることだと思います。
ちなみに、abaさんではこれを「Care Tech」と呼んでいます。

これにより
「介護を行うひと」にとっての負担を軽くすることにもなります。
経験値がなくても質の高いサービスを提供できるようになります。

そして、その先には、できるだけ自分のことは自分でできる
尊厳のある世界を目指しているのだと感じました。

ワタシたちにとって、いま「介護」の現場で起きていることは
決して他人事ではありません。

近い将来、親の世話をすることになるでしょうし、
もう少し先にはワタシたち自身が「介護」される側にまわります。

そんなとき「自らの意志で」
食べて、着て、寝て、歩いて、風呂に入て、排泄する。
それが当たり前になる未来に生きたいと思いませんか?

そんな未来を実現しようと、いま真摯に
現場に向き合い続けている宇井さんの姿に
感動しっぱなしの二時間でした。

宇井さん、さわやか苑の永井さまをはじめ職員の皆様
貴重な機会を頂き本当に有難うございました!!!

以上


2016年3月26日土曜日

株式会社ウインローダー幹部社員様向け講演レポ、「新しいお金のセカイ」について 2016年2月

先日、株式会社ウインローダー幹部社員さまむけに
「新しいお金の世界」というタイトルで講演をさせて頂きました。

同社の高嶋社長に、拙著『ナゼオカ?』をご好評いただき
今回の講演となりました。

2日程で、合計30名。
20~50代と幅広みなさまに講演をさせて頂きました。



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今回の講演は、本の内容をもとにしつつ
ワークショップも交えながら進めます!

まず冒頭、「お金」について考えるワーク①

「小学生のわが子から『お金ってなに?』と聞かれたら
みなさんはなんと答えますか?」

という問いを立てm皆さんそれぞれに考えを書いてもらい
グループごとにシェアします。

「うみだした価値の対価」 「幸せになるための道具」 「必要なもの」

などいろんなお答えを頂きました。
これには正解があるというものではなく、この質問を通じて
普段、ワタシたちが何気なく使っているお金について
まずは改めて「意識」をしていただきます。

つづいて「ナゼオカ?」の内容にも沿いながら、
インド・ルピーや、パラグアイグアラニー、中国人民元についてなど
本には書けなかったエピソードもふくめ
世界旅と「お金」についての実体験をお話していきます。

とはいえ「世界中のお金」については、
話を聞くだけではなかなかイメージが湧きづらいもの、、、

そこで、実際にわたしが旅で集めてきた世界の国々の
さまざまなお札やコインを直にふれて頂きながら、
今現在の為替レートで価値の高い順番にならべてみる
といったレクリエーションも行いました。

こうして、現在にいたるまでのお金の歴史と現状に
ひととおり触れたあとは「信頼の媒介物」としてのお金についてや、
「幸せなお金持ち」と「不幸せなお金持ち」についてなど
お話をさせて頂きました。

そしてワーク②では
信頼関係を築くために、普段気をつけていることなど、
について改めて言葉にして、シェアして頂きました。

「約束を守る」 「ありがとうをいう」 「プレゼントを贈る」

など、こちらも様々な考えを共有頂きながら、
普段はみえない、お互いの仕事への向き合い方や
大事にしている価値観がシェアされていきます。

ここまでであっという間の90分!

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休憩をいれての後半は
本題の「新しいお金」の世界について

拙著で書いているように
インターネットがお金に代わって「信頼の媒介物」として
役目を果たし始めたこと。

その結果おきている働き方や生産あり方の変化について。

さらに、カウチサーフィンや、クラウドファンディングといった
消費➔シェアを重視する「新しいお金の世界」の仕組みについても
具体的な事例を踏まえながらお話させて頂きました。


ワーク③は
「お金をつかわずにものを交換したり、手に入れた経験は?」
などの問いについて考えて頂きます。

ちなみに、こちらはウインローダーさんが行っている
エコランド、エコオクファンドといったシェアの概念をもった事業とも
絡めながら考えを深めていきました。

最後は質疑応答を経て、あっと言う間の3時間。



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ご参加頂いた皆様の感想には

「お金の説明についてすぐに答えがでなかった普段意識していない
 証拠だと気づいて驚いた。」

「お金を道具だと考える視点がもてたことで、
 仕事の目的、人生の目的も改めて意識するようになった。」

「実例を聞きながらなので納得感がある。」

「ワークショップで社内の他のヒトの考えが知れるのが楽しい」

など、ご好評を頂くことができました。
もちろん私自身も

「お金に関する世代間の考え方の違い」や、
このワークが「社内やチームの相互理解にも有用であること」

など、たくさんの気付きがたくさんある
とても有意義な時間となりました。

ーーー
ウインローダー社の高嶋社長、永廣様
ご参加頂いた社員の皆様

貴重な機会をありがとうございました!


2016年3月20日日曜日

『野菜が育って初めてデザインが完成するプランター!?』 スサノヲ3期、Herbivore製品体験記

『部屋のなかで野菜をそだてる』
と聞くと、みなさんはどんな風景をイメージするでしょうか。


スサノヲ三期メンバーHerbivoreの
一山さんが開発した水耕栽培プランターについて
今回、実際にオフィスにて栽培してみた感想とともにシェアします!
http://www.herbivore.jp

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そもそも一山さんは、プロダクトデザイナー。
日本初で、世界に広がるプロダクトデザインを
生み出したいという想いもつよいのです。

そんな一山さんの想いが存分に込められたのが
土や電気を必要としない水耕栽培プランターHerbivoreです。



使用前はこんなシンプルなデザイン。
なかには水耕栽に必要なプランターなどのがセットになっています。


さらにこの野菜の種をそろえて準備完了。
わたしたちはチマサンチュを育てます!
種をスポンジのうえにおいて、水と栄養をときどきたす、それだけ。

あとは日の当たる場所に置いておくとぐんぐん育っていきます。
たまに、水と肥料をたす以外は、本当に手間がかかりません。

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ハービボアはまずこの徹底したシンプルさがまずはウリ。

水さえあればどこでも、だれでも育てられる
シンプルな構造だからこそ、いろんな応用が聞くと思います。

たとえば、病院とか学校とかオフィスとか、どうでしょう。
いままで「野菜を育てる」ことが想像すらされなかった
「生産」とは縁遠いでも気軽につかうことができます。

これはスサノヲで掲げているDual:life(デュアルライフ)」という
「生産」と「消費」の現場をつなげることで、それぞれの
現場が抱える課題を一気に解決するアプローチでもあります。

これを発展させていくと、砂漠地帯や海中など
極限状態の場所でも気軽に新鮮な野菜が育てられるかも。

個人的には以前旅したときに、つらい思いをした
アフリカのケニア~エチオピアの国境地帯のような
あのカラカラの土地にもっていったら喜ばれるだろうな
なんて思ったりもしています。

構造のシンプルさだけではありません。

デザインもシンプルなのでオフィスのどこにおいても
違和感なく溶け込んでくれました。

持ち運びもしやすいし。
育ってきたサンチュを介してオフィスに会話がうまれるとことも。


そしてぼくが驚いたのは育て始めて二ヶ月がたったころ。

プランターの両端にバランスよく
青々と育ったサンチュが、プランター白とともに並び
ひとつの作品のように美しいデザインをつくっていたのです!
 
法隆寺の職人さんが
「歳月の重みで屋根の反りは落ちていく。千年後に、設計通りになる」
といったように

山形県酒田市で出逢った磯草塗の職人さんが
「漆器は親子三代で丁寧につかって初めて本当の輝きを放つ!」
といったように

このHerbivoreも両端に野菜が育つことではじめて
プロダクトとしてのデザインが完成するんです。

その姿が美しい。

プランターのシンプルなデザインは
このタイミングを見据えているからこそ!

この瞬間を体験したら、きっと
「はやく次の野菜を育ててみたい!」と誰しもが思うはず。



野菜を育て、食べるということ以上に
自分だけの作品として完成させる喜びもあるんです。

これは面白い!
 
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さらに、スサノヲ参加をとおして
一山さんは種そのものをコンテンツ化することに着目。
種と食卓をダイレクトにつなぐソリューションをデザインできれば
たとえば、ブラジル原産の葉物野菜など
世界各地の野菜のたねをとりよせて自分で育て
新鮮なまま食べることができる。
そんな楽しそうな可能性も秘めているのです。

ということで、まずはぜひ皆さんもオフィスやご自宅で
あのデザインが完成した時の感動を体験してください!

一山さん、ご提供ありがとうございました!
引き続き、一緒に広めていきましょう☆


2016年3月18日金曜日

Think Big!/高速仮説検証/利害をこえた絆が起こす 事業の意外な進化の可能性について

前回につづき3期をふりかえりながら
ソーシャルスタートアップアクセラレーションプログラムだからこそ
起こりうる起業家にとって、意外で重要な変化についてまとめてみます。

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①Think Big!で「ワタシたちならでは」が深化する
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スサノヲではコーファウンダー孫泰蔵さんの教え
「Think Big!」を合言葉にしています。

参加起業家は文字通り大きなビジョンや目標をたてるために

「どこまでやりたいのか?」
「なにを実現したいのか?」
「いつまでにどれくらい実現したいのか?」

といった質問を、メンターや伴奏メンバーから
繰り返し問われ続けます。

これに対して、起業家はただ単に目標数字を
大きくすればいいということではありません。

個人的には「Think Big!」に考え得ることの
真の価値は、より高い視点にたって
現状を「俯瞰する」ことだと考えています。

たとえば、それまで日本地図のなかだけで捉えていた
社会の課題や構造を、世界地図の視点で考えてみる。

すると

「このヒトと協力したら早くない?」
「これと繋げたらうまくいくかも!」

など、それまでは意識しなかった他のプレイヤーや
リソース、事例の存在に気づくことになります。

そして、大切なのはこのようなプロセスを経ることで、

「私たちならではの提供価値は何か?」
「私たちがやるべきことは何か?」

といったソリューション(サービスや製品)や事業自体の価値が
より明確でキレのあるものに深まっていくと考えています。

しかし、このような視点は意識していても
自分たちだけでは、なかなか得難い。

そこでスサノヲでは
孫さんをはじめ上場企業起業家など
普段からより高い視点で世界をみている方々と
対話し、その視点を取り入れていく機会を提供しています。

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②、高速仮説検証で、ビジョンが鮮やかになる。
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次に意外なのが「高速仮説検証」について。
言い換えれば、

「まず、とにかくやってみる。」

スサノヲでは、議論をするだけでなく、
とにかく試して、その反応や結果から学ぶことを重視します。

これは「リーンスタートアップ」と呼ばれる手法をもとにしていますが、
リアルな現場で当事者にむきあっている
ソーシャルスタートアップ・スタートアップむけに応用できるよう
徐々に解釈を広げながら、進化させています。

「高速仮説検証」はシンプルに
サービスや製品の改良につながります。

そして、もうひとつの効能として
ビジョンを鮮やかにするという効果があり
これがソーシャルスタートアップにとっては重要だと考えています。

なぜなら、ソーシャルスタートアップは
ビジョンへの共感によって、協力者を巻込むのがポイントだから。
現場での高速仮説検証があることで、
当事者の顔や置かれている状況、その背景を深く理解する。

結果、事業として実現したいビジョンも
その登場人物や変化するポイントなどがより鮮明になっていきます。
と、同時にこの検証プロセス自体が仲間を巻込むきっかけにもなる。

スサノヲでは、1週間単位で互いに進捗共有することで
「まず、とにかくやってみる」という
仮説検証のテンポをつくります。

その結果、
たとえ最初はなにをやりたいのかよくわからないチームでも(笑)
4ヶ月間で劇的にビジョンが鮮明になるのです。

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③、利害関係をこえた絆=いままでにないアイデアの組合せ
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最後に上げておきたいのが、
スサノヲが重視している「社会起業家のコミュニティづくり」について

前回の記事でも書いたように、起業家同志の絆を育てるのは
各起業家の「心が折れる」ことを防ぐこともねらいとしてあります。

実際、スサノヲに参加した起業家のみなさんからの
プログラム修了後のフィードバックでは
「仲間ができたこと」を最大の価値
としてあげる方が多いのです。

分野やフェーズは違えど、
自分とおなじく真剣に事業に向き合うひとたちがいる。

彼らと4ヶ月間の道のりをともにし、互いの変化を
目の当たりにすることで、信頼が生まれるのだと思います。

ーーー
そして、さらに重要なのは
この利害関係を超えた信頼関係が生まれることで
メンバー間の協働が加速するということです。

実際にスサノヲ1期メンバーの
マドレボニータさん✕Code for Japanさんは
プログラム終了後にコラボプロジェクトを始動。
グーグルインパクトチャレンジで5000万円の助成をうけ
世の中に大きなインパクトを生み出しつつあります。

※参考
Code for Japanさんのブログより
http://qq4q.biz/sKBJ
マドレボニータさん受賞後製作中のアプリについて
http://madresbonitas.strikingly.com/#_12

このようなコラボを筆頭にスサノヲのコミュニティ内では、
いま大小様々な分野や業界を超えた起業家同士のコラボが
次々とうまれはじめています。

個人的には、この「利害関係を超えたコラボ」こそ
いままでにないアイデアの組合せ=イノベーションの種
になると考えています。

ちなみに、このようなコラボは
互いの利益をもとめて組もうとする関係からは
なかなかうまれにくいとも思っています。

スサノヲに集う
情熱あふれる多様なチームが
「共感」をもとに
利害関係をこえた絆で結ばれる。
だからこそ、だれもが予想しなかった組合せが生まれる。

これもソーシャルスタートアップ・アクセラレーション
だからこそ提供できる場であり、変化の機会だと考えています。

ーーーー
以上、ソーシャルスタートアップアクセラレータープログラム
だからこそ提供しうる「意外な変化の可能性」についてまとめてみました。


なお4期プログラム参加に関心をもった方は
公式FBページの情報をチェックしておいてくださいね~
➔https://www.facebook.com/susanoo.etic/



以上

2016年3月10日木曜日

スサノヲ4ヶ月の流れ/3期プログラムのすべて

3月6日にデモデイ、そして8日に閉講式をおえ
ソーシャルスタートアップアクセラレーションプログラム
SUSANOO第3期が無事修了しました。

今回はあっとその四ヶ月弱の内容を
ダイジェストでご紹介します!

ちなみに、4期(7月~10月)では
スサノヲプログラム自体も、さらに進化を遂げますので
以下はあくまでも参考として受けとってください。

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起 とびこめばそこはカオス!
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■10月30日、SUSANOO FESでの初顔合わせ



お互い顔もわからないなか、いきなり集められた
ガヤガヤした大舞台で、円陣を組まされる。

かなり雑な初顔合わせになったと反省中なので、
4期ではこんなカタチにはしません。笑

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■11月7日、開講合宿@熱海

1期メンバーのmachimoriさんの拠点、熱海へ!
コーファンダーETIC.宮城さんも参加!

プログラムでの進化率を最大化するには
参加メンバー同志が率直にフィードバックできる
場への安心感、信頼感があるかがキモになります。

ですので、あえて非日常の場で
互いの想いや事業の相互理解にフォーカスして
内容を進めます。

夜はカフェロカで貸し切りパーティー



宿を貸しきって提供頂くなど、
最高のオ・モ・テ・ナ・シを頂きました!
市来さん、戸井田さん、ありがとうございました!

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■11月17日、ブートキャンプ2
 相互メンタリングwith伴奏メンバー

ブートキャンプ序盤は、現状を整理しつつ
スサノヲらしくThink Big!な視点で事業を見つめます。
そこで、1期~2期メンバーに伴奏メンバーとして
協力いただきメンタリングなどを行います。


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■11月24日、Think Big!セミナー
マドレボニータ吉岡マコさん✕Coaido玄正慎さん

グーグルインパクトチャレンジで
5000万円の助成金を獲得したマコさんと
AED SOSというファーストレスポンダーシステムの
構築を目指している玄生さんに
ソーシャルスタートアップとしての
社会を変える戦略の立て方など実体験をもとに
丁寧にお話を頂きました。
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■12月1日、相互メンタリングwith伴奏メンバー②

引き続き、伴奏メンバーによるメンタリング
つねに真摯な伴奏メンバーのみなさんへの信頼感が、
場への信頼感につながりはじめます。

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■12月8日、孫さんによる特別Think Big!セミナー

そして、コーファウンダーである孫さんに
特別にお越しいただきました。

Think Big!とは何か?など孫さんの豊富な経験にもとづいた
ここでしか聞けないエピソード満載の貴重な時間です!



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承 創造の前はいつも破壊!
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■12月15日、相互メンタリングwith伴奏メンバー

伴奏メンバーによるフィードバックも
次第に鋭くなっていきます!




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■12月22日、プレデモデイ①

前半二ヶ月の締めくくりは、互いの事業を
ピッチ形式で話してFBしあうプレデモデイ①

1~2期メンバーのみなさんにも集結いただき
ときに厳しい愛のあるFBを頂きます。
この辺りで、徐々に迷いの縁にたったり、
プランがすべて崩れ去るチームがでてくる
コミュニティとしても我慢の時期に入ります。



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■1月5日、 相互メンタリング&新年会

折り返しになる新年一発目は
有志メンバーで荒川のスサノヲ神社へ初詣後
相互メンタリング


1期メンバー、ナオライの三宅さんから
振る舞い酒を頂きました!


なお、この時期から各チームの現場訪問を開始
EJさんの展開する麹町のお店や 

&Hさんの拠点三浦海岸でEALの体験へ。


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■1月14日、Think Big!セミナー
かものはしプロジェクト本木さん✕Welmo鹿野さん

現場での仮説検証や顧客との対峙がすすむこのころ
視点がどうしても狭くなってしまいがち。
ここでなお視点を高く保つために
Think Big!な視点を取り入れていきます!!

かものはし本木さんは二回目のご登壇、
鹿野さんのお話もめちゃくちゃ刺激的でした。


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転 暗闇にさす光をつかむ!
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■1月19日、特別講座
 「ピッチブラッシュアップ」 by樋栄ひかるさん

「場と対話する」ということを丁寧に教えてくださる
ひかるさんには1期からずっと協力を頂いて
ピッチについての講義を頂いております。
この場自体が面白すぎて勉強になります。

ありがたや~


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■1月26日、 プレデモデイ②

このタイミングで1期からずっと協力を頂いている
ビジネスセクターのみなさまにメンターとして
お越しいただきました。

「あえて厳しめに!」というお願いに応えて頂き
愛を持って率直なFBを頂ける貴重な場でした。





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■2月2日、ETIC.コーディネーターメンタリングデイ

残り一ヶ月、ここでもう一度
ETIC.コーディネーターとともに
現場での仮説検証からの学びなどから、
拡散してきた思考を徐々にまとめに入ります。


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■2月4日、Think Big!セミナー 
 面白法人カヤック 柳澤社長!

2、3期の選考委員でもある柳澤さんに
カマコンバレーの取組などを中心に
組織のコア・バリューや社会を変える楔について
お話を頂きました。「ブレスト」最強です!


※このころから、デモデイの仕立てについて
幹事役の大原さん、酒井さんなどを中心に
メンバー主導で一体となって考え始めました。


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■2月16日、 相互メンタリング

デモデイまで一ヶ月をきり、いよいよ詰めのタイミング
しかし、ここらへんからメンバー間相互の問いの
鋭さが一気に増してきます!


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■2月23日、相互メンタリングwith伴奏メンバー

一体感が徐々に生まれてきます。


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■3月1日、直前ピッチブラッシュアップ!!

3期メンバー同志で互いのピッチを見る時間。
ちなみmに、このタイミングでもまだ、まとまってる
チームはほとんどありません。それで大丈夫なのか?
大丈夫なんです。
ここまでの現場での学びや、
メンターからのインプットなどが、
ここから一気に整理され深まっていきます。

残り一週間、残り一日の変化率が異様に大きい!
それがスサノヲです!!ここが一番の正念場であり
一番楽しい時期でもあります。

そして!!
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結 情熱でいま眼の前を照らす!
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■3月6日デモデイ当日!リハと準備

1、2期メンバーの皆さんが裏方に徹してくださいます。
会場装飾をしている、2期tabelの新田さん

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そしていよいよ
■デモデイ開始


舞台裏は緊張!

舞台裏は混沌!

舞台裏は静寂!

舞台上は情熱!!

各チームのピッチが終了したら
次はネットワーキングタイム。

興味をもって頂いたチームと
複数回にわけてブース交流を行います!

デモデイ終了後、、、、魂抜けた姿

デモデイのうちあげ後はそれぞれ帰路にて爆睡?

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デモデイから二日後の3月8日

■3期アクセラレーション閉講&修了証授与式!!

五郎丸型のみ

修了証授与

怪鳥ローンディール事件について!

最後はサプライズでメンバーから
スサノヲプロジェクトチームに色紙と横断幕を頂きました!!

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これにて3期プログラムは修了。

3期メンバーのみなさんは1~2期のみなさんとともに
スサノヲメンバーとしてさらに協力しともに進化していきます。

以上、スサノヲ三期をダイジェスト版で振り返ってみました!!
次回はソーシャルスタートアップむけアクセラレーションの
特徴と可能性についてまとめてみます☆


これまでご協力をいただいた皆様、
そして、なにより三期メンバーのみなさん!
出逢ってくれてありがとう!!

感謝